4月1日のぱたぱた日記
春が来ました!
小さなベランダですが、昨秋に植えたチューリップが並んで咲いています。毎年、放っておいても花開くスイセン、クリスマスころからずっと咲いているハナニラ、シャコバサボテン、ローズマリー・・・。花粉症のためにマスクをして警戒しながら窓を開ける私をほっこりさせてくれます。公園の桜も見えます。桜は入学式のシンボルでしたが、今は卒業式のころに満開になっているそうですね。フェミニストカウンセリング学会もまた、新しい季節を迎えます。5月に予定している1年延期になったシンポジウムはとても楽しみです。
ところで、今日は日本フェミニストカウンセリング学会立ち上げの話を少しだけ。日本フェミニストカウンセリング学会の前身は、日本フェミニストカウンセリング研究連絡会でした。日本でフェミニストカウンセリングにかかわる団体・グループ〜当事者である人はだれでも〜が集まりました。摂食障害で悩む方、心身症状を抱えている当事者、LGBTの方、女性役割の抑圧に悩んでいる方、心理学を学ぶ方、カウンセリングを実践している方、大学で女性学を教えている方、…さまざまな人が集っていました。
そのきっかけになったのは、1990年、東京でフェミニストセラピーなかまをしておられた河野貴代美さんと障害児臨床、母子支援にかかわっておられた井上摩耶子さんが、日本臨床心理学会のシンポジウムで出会ったことからでした。それから、ウィメンズセンター大阪で活動されていた川喜田好恵さんや多くの女性たちにつながりが広がりました。
日本臨床心理学会は、1970年ごろの反精神医学の運動の時に、分裂する形で日本心理臨床学会が立ち上がり、残った人たちが継続している学会です。「問題の所在は心ではなくて、社会にあるのではないか」「社会の問題に対して、カウンセリングは抑圧的・保守的にはたらいているのではないだろうか」という問いがありました。現在も、地域の精神医療、当事者研究、ヒヤリングヴォイス、障害者の運動の分野、オープンダイアローグ等で活動が続いています。
今、その場をきっかけに私たちフェミニストカウンセリングが30年、歩み続けていることを改めて大切にしたいと考えたりしています。フェミニズム、ジェンダーという言葉が攻撃されたバックラッシュの時期を経て、SDGsやオリンピックのお陰でしょうか、何かが変わっているのか、変わらないのか…。ジェンダー問題を軸にカウンセリングを考えてきた私たちが、どこに向かい、何をしていくのか、改めて考えたいと思う春です。
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。