5月1日のぱたぱた日記

新緑が眩しい季節になりました。緊急事態宣言が4都道府県に発令されて迎えるこの連休をどう過ごされていますか? 我が家の周辺では気のせいでしょうか、子どもの遊ぶ声や生活音が減ったような気もします。


ここ最近思うことを少し。フェミニストカウンセリングを知ったのは、配暴センターの女性相談員の仕事をはじめた頃。それは“目からうろこ”の出会いでした。その頃は相談員が、外部研修に交替で参加する研修予算がありました。あとは休みを遣り繰りして自費でFCの講座に参加。非常勤の給与は、研修費、宿泊費、交通費でかなりの部分が占められましたが、女性相談の現場に直結して活かすことができるFCのジェンダーの視点と講座の内容は、女性相談の仕事に不可欠でした。また、私自身がエンパワーされて相談の仕事に向き合う力を得ることができるFCの講座は、孤立しがちな女性相談員の仕事を継続するための支えでもありました。以来、“Personalis Political“という理念とジェンダーの視点は、女性相談と私自身を支える軸になりました。


これまで相談で出会った女性たちは、自分が経験した執拗で巧妙な暴力の実態、逃れられない支配とコントロール、長期にわたる自身や子どもへの暴力の深刻な影響、理不尽で耐えがたい困難をどうやって生き延びてきたかを、私に教えてくれました。女性や子どもに起きている暴力がいかに社会で理解されていないか、被害女性と子どもを支える支援の仕組みや社会資源・法制度が余りにも不備であるという現実も、女性たちを通して知らされました。そして、それでもそこから再び歩き出していく女性たちの力と勇気も教えられました。


DV法もない時代、私たちの先輩である支援者たちはこの問題と素手で闘ってきました。暴力を受けた女性たちへの支援は、そのほとんどが女性である支援者の使命感によって支えられている状況は当時も今も変わりません。非正規、非常勤という不安定な雇用におかれた女性相談員や支援者が、DVや性暴力の相談を担わされている現状もあります。


コロナ禍で、DVや性暴力、性差別が深刻化している中、ジェンダーの視点で女性の困難や生きづらさ、起きている暴力を捉えて支援をしていくことの重要性をこれまで以上に強く感じます。女たちの声を聴き続けてきたFCにこれから求められること、できることはたくさんあると考えます。力を奪われてきた女性たち、今も声を奪われ続けている女性たちの存在を知っている者として、女性たちがつながり、あきらめない支援のバトンを繋げていくことが社会を変えていくと思うこの頃です。もちろん支援者も自分を大切にしながらー。

※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。