国際トランスジェンダー追悼の日
「国際トランスジェンダー追悼の日」をご存じでしょうか。
毎年11月20日は国際トランスジェンダー追悼の日です。(トランスジェンダー認知週間:11月13日〜19日)
アメリカ合衆国を中心にトランスジェンダー嫌悪を理由に殺害されたトランスジェンダーの追悼日です。1998年11月28日にアメリカ・マサチューセッツ州オールストンで、アフリカ系アメリカ人のリタ・へスターさんがトランスジェンダーを理由に殺害された事件に由来します。
海外では毎年何百人ものトランスジェンダーの方々がヘイトクライムの犠牲になっていますし、日本でも近年、急速にトランスジェンダーに対する風当たりが強くなり、インターネット上での誹謗中傷が激しさを増しており、自ら命を絶つ方もあとをたたないなか、この国際トランスジェンダー追悼の日の重要性がますます高まっていると言えます。
トランスジェンダー認知週間が設立された目的の1つは、こうしたトランスジェンダーの人々に対する不当な殺人や投獄に反対し、トランスジェンダーの人々が直面する多数の問題を多くの人に知ってもらうことにあります。
2008〜2012年の4年間に世界55ヵ国で少なくとも800名のトランスジェンダーがヘイトクライムによって殺害されました。今年は360人強もの方々がトランスフォビアの犠牲になっています。日本での殺害事件はありませんが、トランジェンダーの自死は少なくありません。ニュースにならないだけです。
日本でも昨年からトランスマーチをこの追悼の日に開催しています。新宿の中央公園からデモします。今年は新宿区の行事とかぶってしまったために12日(土)に開催でした。新宿中央公園水の広場にはブースの出展、リレートーク等が行われ、終日賑わいました。トランジェンダーの人もそうでない人も、子どもから老人まで、本当に多くの人たちで埋め尽くされました。小さい子どもとその保護者も目につきました。
やはりメインは新宿の街のデモ。水の広場から新宿駅を跨ぎ、新宿2丁目、歌舞伎町をまわり、スタートの公園戻りの3.4km。参加者は1000人以上。4台のフロート車に先導され、トランスジェンダー応援ソングやノリの良い音楽を流し、全国から集まった応援メッセージを読み上げ、キレの良いシュプレヒコールでトランスジェンダーの人権を訴えるのですが、笑顔になったり、思わずキュンと胸が熱くなったりの素晴らしいデモでした。
青と白とピンクの3色カラーのトランジェンダーフラッグが本当に美しかった。
因みにレインボーフラッグは6色で良く知られてきましたが、トランスジェンダーフラッグは3色なのです。1999年にトランス女性モニカ・ヘルムズさんが作成しました。青(きれいな空色)、ピンク、白、ピンク、青の5段になっています。青は男性、ピンクは女性、そして白は移行中の人、性別が決められない、または中立な人を表しています。
この一日はトランスジェンダーを追悼する重要な日ですが、残りの364日が大切です。トランスジェンダーはもちろん、様々な差別がされない社会の構築にどう向き合っていくかが大切なのだと、澄んだ新宿の空を見つめて思いました。
追:11月11日の各新聞にSOGIハラが労災認定されたという記事がでました。SOGIハラもパワハラで、SOGIハラだけでも労災認定されるということは、とてもインパクトのあるものと思います。
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。