なんだかもう、わけがわからなくなるくらい、しんどい。
大変な時に、この巻頭言の順番が回って来ちゃったなぁ、と頭を抱えている。たしか去年は「今年もミモザを買い忘れた」と書いた。今年こそはと、国際女性デーに花屋に行く。だけど、ミモザは売り切れだった。オーマイガー。
3月はいつも憂鬱。非正規公務員であるところの私には、不確定な来年度への不安と、確定申告の煩わしさが重なっているからだ。しかも今年は人類の未来に対する不安まで。
ロシアのウクライナ侵攻で、多くの人が傷ついている。よりによって「平和の祭典」オリンピックの最中に始まり、今なお終わりが見えない。パラリンピックの選手が、自宅マンションが爆撃され妻子の安否がわからないと涙する映像に、怒りのような悲しみのような無力感に包まれる。
被害者支援を長く続けてきた者として、今世界で何が起こっているのか、見極めたいと思う。ただ、私はカウンセラーで、自分の心の状態を一定に保つことは仕事上とても大切で。
俯瞰してみたり、分析してみたりすることは、私なりの防衛なのだと自覚しながら、この戦争との距離感を測っている。抱えきれなくなる前に、距離を置く。そういう微妙なさじ加減を保つことは、結構エネルギーを要する。
「頭のおかしい独裁者による一方的な攻撃」だと思いたい私がいる。善と悪で切り分けられた世界は、とってもわかりやすいから。でも、物事はいつだってそんなに単純ではない。
今回の事態をDVの構図で捉えるのか、男同士の権力争いと捉えるのか、それによって見え方は変わってくるけれど、ひとつだけ言えるのは、暴力があるところでは、常に弱者が踏みつけにされること。
一瞬でも理性を手放せば、地球が大変なことになると、世界中の人たちが知っている。戦争を一日も早く終わらせるために、私たちは何ができるだろう。私に何ができるのだろう。
怖さと痛みに押しつぶされそうになりながら、もしも世界の国々のトップの半分が女性だったら? と考えてみる。もう戦争は起こらない気がする。武力を使わない解決方法が見つかる気がする。新しいつながり方を模索できそうな気がする。
やってみよう。男たちにまかせてきた結果がこれなのだから。
日本のジェンダーギャップ指数、政治分野は156か国中147位。
この国から変えていけることもあるはずだ。
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。